PCI-X 2.0の仕様概要と設計方針(後編) ――I/Oセルの設計とパッケージング
さらに,クロック・ツリーの長さと負荷が最大許容誤差の範囲内にあることを確認する必要があります.
最後に,設計者のみなさんは,「PCI-X 2.0ではLSI設計の方法が変わる」ということを理解しておいてください.それは,以下のような理由によります.
- 新たな目的のため,既存のピンを利用する必要がある
- 新機能のため,予約されたピンを利用する必要がある
- 高速な転送速度を実現するため,受信側のターミネータが必要となる
- 新規の信号のため,新たなピンが必要になる
また,同時スイッチングの影響を抑えるためにピンを追加するので,いくつかのダイ・パッドを用意しなければなりません.さらに,PCI-X 2.0信号に求められる厳密なタイミングを実現するためには,チップのレイアウトやパッケージ,ヒートシンク,アドイン・カードなどを検討し直す必要があるかもしれません.
Stillman
Gates 米国Adaptec社,ASIC Architect
◆筆者プロフィール◆
Stillman Gates.データ・ストレージ・アクセス製品を担当しているAdaptec社の設計技術者.同社で12年にわたり,ISA,EISA,PCI,PCI-X,SCSIおよびFCインターフェースを搭載したストレージ用ASICを開発してきた.また,PCI-X 2.0 やSerial SCSIの策定を行うワーキング・グループで積極的に活動し,PCI,PCI-66,PCI-X 1.0,FC-AL 1.0,FCPLDおよびSCSI規格の開発に参加.同氏は30の米国の特許を持っている.