これがプリント基板の組み立て工程だ! ――フレッシャーズのためのPCB実装・検査工程入門
● 後処理,出荷
プリント配線板に部品が実装され,ボードとして完成します.
製品によっては,環境対策などのためにコーティングと呼ばれる皮膜でボードそのものを覆ったり,振動対策のために大型部品などをシリコンや接着剤などで固定するといった工程が入ります.
これらの工程を経て,出荷となります.
● 製造しやすいハードウェアを設計しよう
簡単ですが,プリント基板の製造過程を紹介しました.巨大な量産工場の場合は別ですが,人の介在するところが意外と多いと感じた方もいると思います.
ボード設計の際には,部品コストや機能はもちろんたいせつなのですが,どのような工程でどのような順番で実装されるのかというような製造面も重要なファクタとなります.例えば,リード部品を表裏両面から実装するような構造にすると,どちらかの面は,人手ではんだ付けしなくてはなりません.すると,コストにも品質にも跳ね返ってきます.また,部品どうしの距離など,実装機で実装できる範囲や,はんだ槽を通したときにはんだがブリッジしにくい方向など,製造設備にかかわる設計制約も少なくありません.
回路設計者自身がパソコン上でプリント基板のアートワークまで行う場合もあります.ハードウェア設計者でも,回路設計だけでなく,使う立場や作る立場になって考えることがたいせつです.製造しやすいハードウェアを目ざした設計ができるように,スキルアップしていきたいものです.
参考・引用*文献
(1) 浅山哲;ビギナーズのためのプリント基板開発ガイド,Design Wave Magazine,2004年5月号別冊付録.
そうだ・やすし
西山工業(株)