これがプリント基板の組み立て工程だ! ――フレッシャーズのためのPCB実装・検査工程入門
ここでは,プリント基板の組み立て(部品実装・出荷検査)工程について解説する.ボード設計者はもちろんのこと,回路設計者であっても,製造工程の知識がなければ,コストや性能の面で最適なプリント基板を設計することはできない.ここで示す写真は,筆者が所属する会社(西山工業)の実際のプリント基板組み立てラインである. (編集部)
ASIC(application specific integrated circuit)やFPGA(field programmable gate array)の大規模化が進み,システムLSI(system on a chip)も身近なものになりつつあります.しかし,こうした大規模なLSIがプリント基板注1に取って代わるまでには至っていません.
LSIや抵抗,コンデンサなどの電子部品は,プリント配線板に搭載され,ボードの形になることではじめて機能します.このため,プリント基板は実際に製造できるように設計しなくてはなりません.このためには設計者であっても,基板製造についての知識が必要になります.製造工程を知ることで,低コストで製造できるような設計も可能となります.
注1;部品実装前のプリント板を「プリント配線板」,「ベア・ボード」,「PWB(printed wiring board)」と呼び,部品実装後のプリント板を「プリント回路基板」や「PCB(printed circuit board)」,「ボード」と呼ぶ.「プリント基板」ということばは,「プリント配線板」としても「プリント回路基板」としても使われている.本稿では,部品実装の前後を問わず広い意味のときには「プリント基板」を用いるが,プリント板そのものを指すときは「プリント配線板」,部品実装後を指すときには「ボード」と表記する.