ソフト・マクロのCPUでLinuxを動かす(後編) ──OSの実装とネットワーク対応機器への応用
● ハードウェアの開発
ハードウェアの開発には,Xilinx社のFPGA開発ツール「ISE」とMicroBlaze開発ツール「EDK」を使用します.基本的な開発手順は,EDK用のファイルの準備,EDK上でコンパイル,ISE用のファイルの準備,ISE上でコンパイル,MCSファイルの生成となります.
ボード・コンピュータとして動作させるためのFPGAの基本的なプロジェクト・ファイルは,あらかじめ提供されています.これにLCD制御機能を追加することになります.全体ブロックを図5に示します.新規に作成するものは,図のグレーの部分だけです.
- LCDインターフェース回路(VHDL)
- FIFO(LogiCore)
- OPBインターフェース回路(VHDL)
- OPBインターフェース回路のEDK用登録情報 .MPD
- OPBインターフェース回路のEDK用登録情報 .PAO
.MPDと.PAOを作成することにより,EDKに新しい機能として登録することができます.汎用的に利用可能な回路を設計したら,IPコアとして登録しておくと便利です.今回は,OPBインターフェースを登録しました.LCDインターフェース回路を登録することももちろん可能です.しかし,LCDインターフェース回路は,再利用するにあたって,手直しが発生する可能性があります.手直しがあると,EDK上でのコンパイルからやり直すことになり,かえって効率が落ちてしまいます.
OPBインターフェース・コアのEDK用設定情報は,EDKに添付されているものを編集して使用できます.
図5 ハードウェアの構成
プロジェクト・ファイルの構成を示す.ほとんどの部分はあらかじめ提供されている.グレーの部分の回路のみを新規に設計する.