ソフト・マクロのCPUでLinuxを動かす(後編) ──OSの実装とネットワーク対応機器への応用
前編では,FPGAベースのボード・コンピュータを設計しました.今回は,このボードにOSとしてLinuxを実装します.組み込み機器のOSとしてLinuxを採用する理由についても説明します.また,ネットワークに対応したLCD表示装置への応用事例を紹介します. (筆者)
「情報家電」ということばの普及とともに,情報化(ネットワーク化)された家電機器が増えてきています.さまざまな市場要求に応じたこの変化は,機器の開発とその周辺環境に変化をもたらしました(図1).また,携帯電話やカーナビをはじめ,多くの組み込み機器にネットワーク接続やユーザビリティ向上のためのGUI(graphical user interface)機能が必要とされるようになり,これらの機能を実現できるレベルまでハードウェア仕様も進化してきました(表1).
旧世代
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現 在
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CPU
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コア
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8~16ビット・アーキテクチャ | 32ビット・アーキテクチャ (多くの場合はキャッシュ・メモリを持つ) |
動作クロック
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数MHz~数十MHz | 数十MHz~数百MHz | |
メモリ
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256Kビット(SRAM)~16Mビット(DRAM) | 16Mビット~512Mビット(DRAM) |