つながるワイヤレス通信機器の開発手法(11) ──ASICを設計する(中編) エラー訂正回路とタイミング回路の実装
●ビット同期とフレーム同期
タイミング・リカバリには,ビットごとに同期をとるビット同期回路(図1の中のクロック・リカバリのブロック内にある)と,フレームのタイミングをとるフレーム同期回路(図1の中のタイミングのブロック内にある)がある.ビット同期回路とフレーム同期回路は図9のような関係になる.
ビット・タイミング検出回路とディジタルPLL(phase-locked loop)によってビット同期回路が構成されており,この中で受信信号にビット同期した信号を生成する.
フレーム同期回路は,基準同期ワード,同期ワード比較回路,フレーム・カウンタからなる.同期ワード比較回路とフレーム・カウンタは,ディジタルPLLで作られてビット同期クロックに同期して動作し,フレームのタイミングを決定する.フレーム・カウンタとは通信フレーム長を1周期とするカウンタで,例えばディジタル携帯電話の場合は280ビットで1周するカウンタになる.
〔図9〕ビット同期とフレーム同期
ビット同期回路はビット・タイミング検出回路とディジタルPLLから,フレーム同期回路は,基準同期ワード,同期ワード比較回路,フレーム・カウンタからなる.