つながるワイヤレス通信機器の開発手法(11) ──ASICを設計する(中編) エラー訂正回路とタイミング回路の実装
2) フレーム同期回路
フレーム同期回路はフレーム同期のためのデータ列を待ち受け,フレーム同期のデータ列が現れた段階でフレーム同期をかける.フレーム同期のためのデータ列を同期ワード(またはsync word)と呼ぶ.同期ワードはフレームの先頭に置かれる場合と中央に置かれる場合がある.前者をプリアンブル,後者をミッドアンブルと呼ぶ(図12).
プリアンブルの場合は同期ワードを待ち受け,同期ワードが見つかったあとでフレームの切り出しと取り込みを始めればよい.ミッドアンブルの場合は同期ワードが見つかった時点では,すでにフレームの前半部分のデータが通り過ぎており,フレームの切り出しや取り込みを行えない.
この不ぐあいを救うために前半データのためのバッファを用意しておき,同期ワードが見つかった時点でこのバッファにたまったデータを取り込み,次段の回路で処理を行う.
〔図12〕プリアンブルとミッドアンブル
同期ワードをフレームの先頭に置く場合をプリアンブル,真ん中に置く場合をミッドアンブルと呼ぶ.
参考・引用*文献
(1) 三谷政昭,「誤り訂正符号の基礎」,『Interface』,pp.152-156,1999年4月号.
(2) 近藤洋,太田博之,「間欠待ち受け制御/マクロセル化/誤り制御/変復調技術」,『Interface』,pp.179-186,1998年9月号.
(3) Bluetooth SIGのホームページ,http://www.bluetooth.com/
おおた・ひろゆき
加賀電子(株)
◆筆者プロフィール◆
20年以上にわたり通信関連のエンジニア,エンジニアリング・チームのマネージャ,コンサルタントと技術者出身としてはまっとうな(?)成長段階を経て,現在は電子専門商社にてマーケティング,新事業企画に従事.得意領域はこれまでのGPS,携帯電話,ワイヤレスLAN,Bluetoothに加えてVoIP技術,テレマティクスと,その領域は今でも広がり続けている.