つながるワイヤレス通信機器の開発手法(11) ──ASICを設計する(中編) エラー訂正回路とタイミング回路の実装
●チャネル・エンコーダにおける符号化処理
図3は,送信側の検査ビットを生成する回路を示している.回路の中の五つの箱は,5ビットのシフト・レジスタを意味している.クロックごとに左から右へ1ビットずつシフトする.DATA_INから入ってくる信号も,このクロックに同期して変化する(図4).図3と図4をもとに,以下に動作を説明する.
- 図3のS1,S2ともに1側に倒す(図4では"H").この状態では五つの箱の中には'0'が入っている.
- DATA_INから入力された10ビットの情報ビットが右端の矢印から出ていくと同時に,五つの四角い箱の中身が1ビットごとに右にシフトする.
- 10ビットの情報ビットを送り終えたところで,S1とS2は2側(図4では"L")に倒れる.
- 5ビット・シフト・レジスタのデータを1ビットずつ右側の矢印から出す.このとき各ビット中には'0'が入る.
〔図4〕 入力信号
スイッチS1,S2が"H"のとき,10ビットの情報ビットを送信する.S1,S2が"L"のときは5ビットの検査ビットを送る.