つながるワイヤレス通信機器の開発手法(10) ──ASICを設計する(前編) 送信側のデータ処理の実装
今回から,いよいよLSIの設計に入る.ワイヤレス通信機器向けLSIというと,一般には高周波(RF)LSI,A-Dコンバータ,D-Aコンバータを含むミックスト・シグナルLSI,ディジタル信号を主に取り扱うベースバンドLSIなどに分かれる.また,ワイヤレス通信機器では小型化・軽量化が求められるため,一つのLSIに多くの機能を集積することが少なくない.ここでは,高集積化がもっとも進んでいるベースバンドLSIを中心に,回路やHDL記述の例を交えながら説明する. (編集部)
図1に,ベースバンドLSIの機能を中心にしたワイヤレス通信機器のブロック図を示す.
〔図1〕 ワイヤレス通信機器のブロック図
図の中の濃い灰色で示したブロックを1チップ化したものを「ベースバンドLSI」と呼ぶ.