つながるワイヤレス通信機器の開発手法(11) ──ASICを設計する(中編) エラー訂正回路とタイミング回路の実装
●チャネル・デコーダで復号処理を行う
符号化回路で検査ビットを付加した(15.10)短縮ハミング符号を送信する場合,受信側には同じく(15.10)短縮ハミング符号に対応したエラー訂正回路を用意する.この回路を復号回路と呼ぶ.(15.10)短縮ハミング符号用の復号回路は図5のようになる.また,図5の回路を動作させるためのクロックとイネーブル信号の関係を図6に示す.復号回路は次のような動作を行う.
- エラーを含む受信データ(DATA_IN)の情報ビット(前半10ビット)の部分に対して検査ビットを生成する(この回路は符号化回路と同一).
- 生成した検査ビットと受信信号の検査ビットの部分(後半の5ビット)について,ビットごとに排他的論理和EXORをとる.このEXORの出力をシンドロームと呼ぶ.
- EXORの出力から情報ビットの部分のエラーを訂正し,誤りのない情報ビットを得る(DATA_OUT).この演算はCMP_EN="H"のタイミングで行われる
〔図5〕復号化回路
(15.10)短縮ハミング符号用の復号回路を示す.
〔図6〕イネーブル信号
CAL_EN="H"の区間で検査ビットを生成する.生成した検査ビットと受信信号の検査ビットの部分のEXORをとる.EXORの出力から情報ビットの部分のエラーを訂正し,誤りのない情報ビットを得る.