つながるワイヤレス通信機器の開発手法(10) ──ASICを設計する(前編) 送信側のデータ処理の実装
2.変調回路とチャネル・エンコーダを実装する
次に,各ブロックの機能とそこで使われる回路の概要について説明する.
●変調を式で表すと正弦波になる
変調とは,通信路を通して情報を伝播させるのに適した形の信号に変換することである(連載第6回を参照).ワイヤレス通信機器の場合,通信路とは電波のことであり,チャネル・エンコーダから受け取った情報を電波(正弦波)にのせることができる形に変換する.逆に言えば,変調とは送信データに比例した変化を電波に与える処理である.変調を式と図で表すと図3のようになる.
〔図3〕変調
変調を式で表すと図のような正弦波となる.