車載システムにおける高信頼性と電力管理機能の実現 ――ソフトウェアにもフェイル・セーフの考えかたが必須
ここでは車載機器の,特にソフトウェアの面から見た信頼性の向上と電力管理の技術について述べる.ソフトウェアの場合,バグをゼロにすることは不可能に近い.それでもシステムが正常に動作し続けるように設計しなければならない.また,自動車に搭載される電子機器が増えるにしたがって,消費電力についても十分考慮して設計する必要がある. (編集部)
民生用の組み込み機器として車載装置が注目されています.現在のところ,物理的なネットワーク・レイヤを何にするか,情報プロトコルをどうするかといった議論が盛んに行われているようです.
これらの議論の後,実際に車載装置を設計する段階になると,次は何が検討事項になるのでしょうか.それは,「車載」という条件のもと,ハードウェア(ROM)に組み込まれるソフトウェアに要求される機能だと思います.そこでは,次の2点が重要なポイントとなります.
- 高信頼性のための機能
- 電力管理のための機能
ここではこの2点について,システム側からの要求事項や実際のOSの実装という視点で考えてみたいと思います.