車載システムにおける高信頼性と電力管理機能の実現 ――ソフトウェアにもフェイル・セーフの考えかたが必須
●電力管理のソフトウェア構成
上記の電力管理を制御する機構は,ソフトウェア的にはどのように構築されるのでしょうか.その構成を図9に示します.また,図10に示すように,パワー・マネージャはほかのアプリケーションからメモリ保護されており,信頼性を確保しています.
ここでアプリケーションどうしを結ぶインターフェースが必要になります.このインターフェースにはサーバ・ライブラリ・インターフェースとクライアント・ライブラリ・インターフェースがあります(表4).サーバ・ライブラリ・インターフェースはパワー・マネージャが使用します.一方,クライアント・ライブラリ・インターフェースはユーザ・アプリケーション側からパワー・ステートの遷移によって変化するアプリケーションを実現します.
〔図9〕電力管理用のソフトウェア構成
ユーザ・アプリケーション,アプリケーション間のインターフェース用 ライブラリ,OSなどで構成される.
〔図10〕マイクロカーネル構成における電力管理の例
パワー・マネージャはほかのアプリケーションからメモリ保護されている.
〔表4〕インターフェース
サーバ・ ライブラリ・ インターフェース | CPUの電力制御 | sysmgr_cpumode(...): CPUのパワー・ステートを変更 |
周辺回路の電力制御 | pm_get_modes(...):デバイスがサポ
ートしているパワー・モードを調べる pm_set_power(...):デバイスのパワ ー・ステートを設定する pm_get_power(...):デバイスの現在 のパワー・ステートを読み出す |
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クライアント・ ライブラリ・ インターフェース | handle
= pm_attach( "system", O_RDWR); pm_getmodes( handle, &power_info_structure,...); pm_notify( handle, PM_CHANGE_START,...); |