車載システムにおける高信頼性と電力管理機能の実現 ――ソフトウェアにもフェイル・セーフの考えかたが必須

岡澤幸一

tag: 組み込み

技術解説 2004年1月15日

●CPU,周辺回路,メモリの消費電力を制御する

 電力管理という視点からハードウェアを見た場合,次の要素を制御する必要があります.

  • CPUの電力:電力供給のON/OFFだけでなく,クロック周波数を制御することで消費電力を低減するCPUが存在する.
  • 各デバイスの電力:アクティブでないデバイスの電源をOFFにすることによって,電力の使用状態を制御する.
  • メモリの電力:DRAMの場合,リフレッシュだけを行い,消費電力を最小にする.

 これらの電力管理を行う場合,全体をいくつかのモードに分けて,その遷移の中で上記のハードウェアをどのように扱うかを決めることが必要となります(図3)

f03_01.gif

モード
内 容
電源停止状態 電源が供給されていない状態
動作状態 すべてに電源が供給され,アクティブに動作している状態
アイドル状態 消費電力が減っているが,すぐに動作状態に戻れる状態
スタンバイ状態 電源の負荷が最小で,すぐには動作状態に戻れない状態
遷 移
内 容
コールド・ブート 電源がONにされたときの起動シーケンス
スリープ/レジューム 「動作状態」と「アイドル状態」の間を行き来する遷移
スタンバイ 「スタンバイ状態」への遷移
ウォーム・ブート 「スタンバイ状態」から「動作状態」への遷移

〔図3〕モードによる電力管理の状態遷移
例えば,マイクロカーネルOS「QNX」では,図のようなモードによる遷移を一般に用いている.

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