車載システムにおける高信頼性と電力管理機能の実現 ――ソフトウェアにもフェイル・セーフの考えかたが必須

岡澤幸一

tag: 組み込み

技術解説 2004年1月15日

●OSとCPUのパワー・モードを対応させる

 サンプルとして本開発用ボード上で構築した電力管理機能について説明します.システム側からの要求で作られたフローを図7に示します.

 モード間の移行についてはイグニッションに着目しています.イグニッションが5分以上OFFの場合,「Idle 2」の状態に移行します.さらに15分以上OFFの場合は,「Standby 1」の状態に移行します.Standby状態に入ると,ウォーム・ブートでないとアクティブな状態に戻れなくなります.さらにイグニッションが4時間以上OFFになっていると,「Standby 2」の状態となり,2週間以上OFFの場合はシステムの電源がOFFする「Shutdown」の状態となります.ここまで来ると,通常の電源ON,つまりコールド・ブートでシステムをスタートする必要がでてきます.

 このモード移行フローで着目する点は,縦方向では下に向かうほど消費電力が減り,横方向では右に向かうほど再起動に時間がかかるということです.電源のON/OFF,アクティブ/インアクティブの間に複数の状態が存在し,その間を遷移しながら電力管理を行っているわけです.

 なお,このフローは車載システムに特化したものです.電力管理のモードや遷移の方法,タイムアウトの設定などは個々のシステムによって変わる点に注意が必要です.

f07_01.gif
〔図7〕パワー・モードの移行フロー
このモード移行フローでは,縦方向では下に向かうほど消費電力が減り,横方向では右に向かうほど再起動に時間がかかる.

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