システム・イン・パッケージに組み込まれるMEMS慣性デバイス ──小型,高精度を生かすMEMSデバイスのキラー・アプリ

Barbara Grieco

tag: 組み込み 半導体 実装

技術解説 2003年12月13日

4)携帯機器の歩行者用ナビゲーション・システム

 携帯ナビゲーション・システムやカー・ナビゲーション・システムは,GPS受信装置を使用して位置を見極め,ルート案内を行います.どのようなGPSシステムでも,信号受信の信頼性は必ずしも100%ではなく,特に都市部などでは周囲の環境(地下や高層建築)によってGPS信号がしゃ断されてしまうことがあります.

 このような問題が発生した場合,MEMS技術による慣性センサがGPSシステムを補助し,代替機能を提供します.すなわち,衛星信号が受信できないときや十分な精度が得られないとき,自律航法システムが継続して移動の追跡を実行します.自律航法を実行するには,移動した距離とともに移動した方向を知る必要があります.そのため,加速度計やジャイロスコープ,磁気センサを含む慣性測定ユニットが必要になります.

 ここで留意しておきたいのは,バッテリ駆動の機器にとってGPSの消費電力は非常に大きく,これらの機器にナビゲーション・システムを導入するには自律航法の採用が不可欠であるということです.

5)ゲーム・パッド用の簡単なユーザ・インターフェース

 ゲーム・パッドのプリント基板に加速度計を追加すると,ゲームのプレー中にボタンを使う必要がなくなります.加速度計で手の動きを検知できるため,ゲーム・パッドをコンソールやホイールのように使えます.

6)マウスに追加機能

 マウスは,コンピュータやコンピュータで制御される機器と人間との間のインターフェースとして,もっとも一般的な道具です.マウスは平面上(2次元面)に置かれ,手に代わってカーソルやポインタを制御したり,特定のタスクを起動します.この機能を果たすため,通常のマウスはコマンド入力用の複数のボタンと,コンピュータ・システムとの伝達に使用する通信インターフェースを備えています.

 マウスに従来使用されているボールはすぐに汚れてしまいます.また,光センサを利用するマウス(特にワイヤレス・マウス)では消費電力が高くなります.これらに代わるものとして,慣性センサを利用するマウスが考えられます.マウスにMEMS技術を用いて製造された加速度計を組み込めば,3次元の動作,特に直交する2本の軸を中心とする動作を検出することができます.そして,決められた空間でユーザが制御するマウスの動きを検知し,コンピュータ・システムなどの製品に制御信号を送ることができます.

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