システム・イン・パッケージに組み込まれるMEMS慣性デバイス ──小型，高精度を生かすMEMSデバイスのキラー・アプリ
●ジャイロスコープを開発中
慣性センサの次の開発ステップは，MEMSベースのジャイロスコープです．
ジャイロスコープとは，物体が回転する速度を計測する装置です．ジャイロスコープで得られる情報により，車体が回転した際のエア・バッグを制御したり，GPSナビゲーション・システムの精度と信頼性を向上させたり，あるいはビデオ・カメラの映像のぶれを補正させることが可能となります．
筆者らは，上述のサーフェイス・マイクロマシーニング技術を用いてジャイロスコープを開発しています．角速度センサを備えたジャイロスコープでは，センサ素子のコリオリ効果を利用して回転速度を検知します．このジャイロスコープにも加速度計の場合と同じようにシステム・イン・パッケージを採用することで，角加速度センサと信号処理回路を1パッケージに収めます（本ジャイロスコープは，2004年半ばにサンプル出荷を開始する予定）．
