システム・イン・パッケージに組み込まれるMEMS慣性デバイス ──小型,高精度を生かすMEMSデバイスのキラー・アプリ

Barbara Grieco

tag: 組み込み 半導体 実装

技術解説 2003年12月13日

●インターフェースICとMEMSセンサを1パッケージに

 MEMS技術を利用すると,機械的センサやインターフェースICを含むシステムを1チップに集積することが可能となります.しかし,技術的に実現可能であるということが,必ずしも良いアイデアであるとは限りません.実際のシステムにはコストの制約があり,1チップ化するよりも,一つのパッケージに複数のチップを収めるシステム・イン・パッケージ(SIP)のほうが効果的な場合もあります.

 一般に,このような手法では,複数のチップを並べて取り付けられるリード・フレームを使用します.最近では複数のチップ(ダイ)を縦に積み上げる技術もあります(写真2).筆者らは,特に慣性センサについては,二つのチップを1パッケージに封止しています.すなわち,加速度を静電容量の変位に変換するMEMSセンサ・チップと,微弱な静電容量の変位を出力信号に変換するインターフェースICチップを1パッケージに収めています.

 こうした1パッケージ化の技術を応用した3軸加速度計 モジュール「LIS3L02」を筆者らはサンプル出荷しています(図3).本モジュールでは,QFN(quad flat non-leaded package)またはSOP(small outline package)内部に,MEMSセンサ・チップとインターフェースICを収めています.ユーザは,測定する加速度の範囲として,2gまたは6gを選択できます.また,静的加速度(重力など)と動的加速度(振動など)の双方を測定できます.

p02_01.gif p02_02.gif


〔写真2〕システム・イン・パッケージ
複数のチップ(ダイ)を並べて取り付けたモジュール(写真左)と複数のチップを縦に積み上げたモジュール(写真右).

f03_01.gif
(a)外観

(b)電気的特徴

電源電圧 3~5.25(V)
消費電流 0.8(mA)
検出範囲 ±2(g),±6(g)
等価ノイズ加速度 1gの100万分の300以下
耐衝撃性 3,000g以上

f03_02.gif
(c)ブロック図
〔図3〕 3軸加速度計
筆者ら(STMicroelectronics社)が開発した3軸加速度計モジュール「LIS3L02」の概要を示す.

組み込みキャッチアップ

お知らせ 一覧を見る

電子書籍の最新刊! FPGAマガジン No.12『ARMコアFPGA×Linux初体験』好評発売中

FPGAマガジン No.11『性能UP! アルゴリズム×手仕上げHDL』好評発売中! PDF版もあります

PICK UP用語

EV(電気自動車)

関連記事

EnOcean

関連記事

Android

関連記事

ニュース 一覧を見る
Tech Villageブログ

渡辺のぼるのロボコン・プロモータ日記

2年ぶりのブログ更新w

2016年10月 9日

Hamana Project

Hamana-8最終打ち上げ報告(その2)

2012年6月26日