ネットワーク経由で組み込みソフトのバグを修正する ――後からモジュールを追加できるITRON仕様OSの開発
2)位置独立コード形式
次に検討したのが,ロード・モジュールをPIC(position independent code;実行位置独立コード)形式に限定する方法です(図5).PICとは,プログラムのアドレス参照のすべてをベース・アドレス・レジスタやプログラム・カウンタ・レジスタの相対呼び出しで間接参照する出力形式です.特定のプロセッサや開発ツールはPICに対応しています.
しかし,PICコードのプログラムにすべてのプロセッサや開発ツールが対応可能なわけではありません.また一般的に,ロード位置に依存したコードで生成したプログラムよりも実行オーバヘッドが大きくなります.これらの理由により,この方法も採用しませんでした.