ネットワーク経由で組み込みソフトのバグを修正する ――後からモジュールを追加できるITRON仕様OSの開発

原田雅章

tag: 組み込み

技術解説 2003年7月28日

 さらに今後は,家庭,オフィス,工場などのあらゆる場所にネットワーク機器が出現します.このような環境においては,機器が相互にネットワーク接続されていることから,パソコンと同じようにユーザが操作して機器のソフトウェアを更新したいという要求が増えてくることでしょう(図2)

 そこで筆者ら注1は,機器に組み込まれているソフトウェアの不ぐあいへの対応や機能更新・追加が必要な場合に,機器ユーザがネットワーク機能を使って部分的にモジュールをダウンロードし,バージョンアップする機能を組み込みOSに持たせることができないかと考えました.

 開発のベースは,メモリ保護機能を持ったμ ITRON4.0/ PX仕様に準拠したOS「IIMP(Implementation of ITRON with Memory Protection)」としました.その理由は,ネットワーク経由で新たなプログラムをダウンロードする機能と,IIMPが持つダウンロードしたプログラムのメモリ・アクセス違反を検出する機能の間には相互補完の効果があると考えたからです.

 注1;本開発は,高田広章氏(名古屋大学 教授)を統括リーダとして,まずトロン協会で仕様検討グループを発足し,開発の方針とローディング方式の骨子を検討した.開発プロジェクトとしてはエーアイコーポレーション,富士通デバイス,デンソークリエイト,高田研究室(開発当時は豊橋技術科学大学)による産学共同体制の下で行った.また,開発した製品は特別認可法人である情報処理振興事業協会(IPA)の2002年度重点領域情報技術開発事業のテーマの一つとして採択された.

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〔図2〕これからの組み込みソフトウェアの更新方式
ユーザが携帯電話からインターネットにアクセスし,更新モジュールをダウンロードできるようになれば,保守コストを大幅に低減できる.

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