組み込みOS適材適所 《Windows Embedded CE編》 (3,最終回) ―― ITRONシステムと同じ動作をするかどうか無償ツールで確認する

中田 佳孝

tag: 組み込み

技術解説 2010年1月 7日

前回(本連載の第2回)まで,μITRONからWindows Embedded CEへのシステム移行手順を説明してきました.今回は,CEプラットホームに移行したシステムの動作確認を行います.OSイメージをターゲット機器にダウンロードし,Windows Embedded CEに無償で付属しているツールを使用して,移行したシステムの挙動を検証します.(編集部)

 

技術解説シリーズ「組み込みOS適材適所 《Windows Embedded CE編》」
  第1回 まず,μITRONとWindows Embedded CEの違いを理解する
  第2回 μITRONシステムからWindows Embedded CEシステムへの移行手順

 

1.OSイメージのダウンロード

 今回,ターゲット機器として使用している台湾ICOP Technology社製の組み込みコンピュータ「eBox-4300」では,

  • 内部ROMからのブート
  • CF(CompactFlash)メモリからのブート
  • eboot(Ethernet経由によるOSイメージのダウンロードと起動)

がサポートされています.実際の開発のデバッグ・フェーズでは,LANケーブルを接続して簡単にOSイメージが転送できるebootによるデバッグが多いかと思います.ここでも,ebootによるOSイメージのダウンロードと起動を行ってみます.

 eBox-4300と開発用パソコンをLANに接続し,eBox-4300の電源を入れてください.MS-DOSが立ち上がり,起動方法の選択が行えます.LAN環境に合わせて,

  • Load OS image from development station with DHCP service
  • Load OS image from development station with Static IP 192.168.2.232

を選択してください.選択すると,OSイメージのダウンロード待ち状態になります(LANにブロードキャスト・パケットでブート要求を発行している).

 開発用パソコンでは,Visual Studio 2005の「Target」メニューから「Connectivity Option」を選択します.Connectivity Optionダイアログが起動するので,Download,Transportをそれぞれ「Ethernet」に設定し,Downloadの[Settings]ボタンをクリックしてください.Ethernet Download Settingsダイアログでは,現在ブート要求を送信しているターゲット機器の一覧が表示されるので,対象ターゲットを選択して[OK]ボタンをクリックしてください(図1).Connectivity Optionダイアログに戻ったら,[Apply]ボタンをクリックしてからCloseしてください.


図1 eboot設定


 「Target」メニューから「Attach Device」を選択すると,自動的にOSイメージのダウンロードと起動が行われます.起動すると,以下のような画面がターゲット機器のディスプレイに出力されます(図2).



図2 起動直後の画面

 

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