ネットワーク経由で組み込みソフトのバグを修正する ――後からモジュールを追加できるITRON仕様OSの開発

原田雅章

tag: 組み込み

技術解説 2003年7月28日

●「一度書き込めば終わり」の時代は終わった

 パソコンで使われている汎用OSでは,アプリケーション・ソフトウェアやOSのバージョンアップが日常的に行われています.これはOSに動的なソフトウェアのローディング機能が備わっているからです.汎用OSのアーキテクチャはもともと大型コンピュータで実行されていたころに確立したものが多く,さまざまな問題を解決するための汎用的な機能を持っています.

 一方,組み込み機器に実装されるソフトウェアは目的が明確な専用ソフトウェアであり,ITRONなどのリアルタイムOSは,そのソフトウェアを最小限のハードウェア資源で効率良く動かすことにのみ主眼を置いてきました.今までのITRON仕様では,組み込みソフトウェアを更新するローダ機能は仕様策定の範ちゅうにありませんでした.「組み込み機器のソフトウェアでは,OSとアプリケーション・ソフトウェアをリンクした専用ソフトウェアを一度だけROMに書き込む」という構成(いわゆる単一リンク・モデル注2)を前提としていたからです.また,ROMに書かれたソフトウェアを更新する際に,ROMを交換する以外の手段を持ち合わせていませんでした.しかしフラッシュ・メモリが低価格化・高集積化したことにより,メモリの書き換えに伴う制約はなくなりました.

 注2;単一リンク・モデルとは,システムを構成するすべてのソフトウェア部品を一つの最終オブジェクト・ファイルに連結し,アドレス解決を行うやりかたである.単一リンク・モデルまたは1(ワン)リンク・モデルと呼ぶ.

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