ネットワーク経由で組み込みソフトのバグを修正する ――後からモジュールを追加できるITRON仕様OSの開発
機器出荷後にベース・モジュールのバージョンが上がるのは,コラム「バイナリ・パッチ機能」の中で言及したバイナリ・パッチによる場合のみです.ユーザがロード・モジュールのダウンロードを要求して,ベース・モジュールとのバージョン不整合が発生した場合,整合するベース・モジュールのバイナリ・パッチを機器ユーザに当てさせるのは,ユーザの利便性に欠けると考えました.そこで本開発では,ロード・モジュールを要求したときにサーバが機器にパッチを当てる必要があることを指示し,機器が自動的にバイナリ・パッチを当ててベース・モジュールのバージョンを整合するものに上げてから,ダウンロードするように実装しました(図13).
〔図13〕ダウンロード時にバイナリ・パッチは自動で実行される
ベース・モジュールのバージョンが2.01以降であることにロード・モジュールVer1.02が依存していたとする.このロード・モジュールのバージョンアップを要求すると,ベース・モジュールのバージョンを2.01にするバイナリ・パッチが自動で当てられた後,ロード・モジュールがローディングされる.