1トランジスタ構成の疑似SRAMは携帯機器分野で開花するか? ――バッテリ寿命,高集積度への市場要求に対する一つの答え
現在,全世界において携帯電話の普及率が伸びています.それに伴って,携帯電話のサービスと機能に対するユーザの要求は増大し,これに応じてサービス・プロバイダも多くの機能を提供しています.また,そういったユーザからの要望によって,携帯電話は単なる音声処理を行う装置から,音声とデータを処理する装置に変わりました.データ通信装置へと向かう推進力は,携帯電話のハードウェアに影響を与えてきました.高集積,低電圧,高速のメモリが開発されたことで,携帯電話へのメモリの適用形態は変化してきました.ここではメモリに対する要件と携帯電話への適用について述べます. (筆者)
携帯電話は,非常に速いペースで市場に普及しています(図1).需要の大部分は機種交換によるものであり,主にデータ通信サービスによってけん引されています.
携帯電話(端末)のデータ・サービス需要は,速いペースで成長し続けています.第2.5世代(2.5G)や第3世代(3G)の携帯電話では,さらに多くの機能を利用できるようになってきています.例えば,ユーザはSMS(short message service),MMS(multimedia massage service),画像転送,オーディオ/ビデオのストリーミング,インターネット・アクセスなどのサービスを利用し始めています.携帯電話が音声通信やデータ通信にますます使用されることで,さらに小型で高性能なハードウェアが要求されるようになっています.
〔図1〕世界市場における携帯電話の普及率予測