PCI Express デザイン・ガイド ――LSI開発者のための設計Tips
●設計時に考慮すること
アドイン・カードを設計する場合,以下のガイドラインを守らなければなりません.
1)ACカップリング・コンデンサの実装
75nF~500nFのコンデンサを送信側信号にだけ実装しなければなりません.受信側については,システム側でコンデンサが実装されます.
2)最大線長は4インチ以下
カード・エッジからPCI Expressのデバイスまでの線長を4インチ以下で配線しなければなりません.
3)レーン間の最大線長差
FR4で5mil幅の配線の場合,レーンとレーンの最大線長の違いを4インチ以下にしなければなりません.
4)等長配線
差動信号の正信号と負信号の配線長は5mil以下の等長でなければなりません.
5)そのほかのガイドライン
- 差動信号は5mil幅, 5milスペース(5/5)
- 信号ペアのスペースに20mil
- 送信配線を表層に,受信を裏層に配線
続いて,基板側のガイドラインを以下に示します.
1)ACカップリング・コンデンサ
アドイン・カードと同様に,75nF~500nFのコンデンサを送信側信号にだけ実装しなければなりません.
2)最大線長は12インチ以下
PCI Expressのデバイスからコネクタ・エッジまでの線長を12インチ以下にしなければなりません.
3)レーン間の線長差は最大7インチ以下
4)差動信号ペアの線長差は10mil以下
5)そのほかのガイドライン
- 差動信号は5mil幅, 5milスペース(5/5)
- 信号ペアのスペースに20mil
- 送信配線を表層に,受信を裏層に配線
ガイドラインを見ると,PCI Expressの基板やアドイン・カードの設計は,いままでのPCIの製造技術で十分に対応できる仕様となっていると思います.
別の言いかたをすれば,設計上の課題は主としてデバイス側にあると言えるでしょう.