フレッシャーズのための組み込みソフト開発講座 ――新人エンジニアがまわりの信頼を勝ち得るには...
●自己研さんは何のため? だれのため?
よく「自己研さんに努めなさい」と,会社の上司や先輩から言われることと思います.「何のためか?」と問うと,技術力の向上であり,生産性の向上であり,品質の向上のためと言われます.一方,「だれのためか?」と問うと,「会社」のためというような言われかたをするかもしれません.あるいは,製品を使う「顧客」のためと言われるのでしょうか.しかし,若い人の多くは「だれかのために,何かをする」という考えかたに抵抗を感じるのではないでしょうか.実際,そのような社会の風潮なのだろうと思います.
とは言え,品質の悪い製品は売れませんし,そのような製品を出荷していれば会社の売り上げはなく,倒産の憂き目に会います.となれば,技術者は職を失うことになります(就職氷河期を乗り越えて来たみなさんだからこそ,職を得ることのたいへんさは身にしみていると思う).
そうならないように,高い品質の製品を世に送り出さなければならず,会社が利潤を上げるためには生産性を上げなければならないのでしょう.そのためには,やはり高い技術力が必要となります.
技術力は人固有のものなので,どうしても技術者のがんばりが必要となります.高い技術力を持っていれば,さまざまな場面でチャンスが増えます.結局,まわり回って,自己研さんは自分のためになるのです.そのついでに,高品質の製品を顧客に提供できるのですから,意図せずとも人のためになります.
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