フレッシャーズのための組み込みソフト開発講座 ――新人エンジニアがまわりの信頼を勝ち得るには...
●同じものを繰り返し作っているようだと負け
エンジニアは,何かと「もの」を作りたがる人種です.それが職業の定義でもあるのでしかたがないのですが,しかし,毎回同じプログラムを作っているようだと問題です.例えば,毎度毎度,文字列コピーの関数を書いているツワモノもいるようです.
言うまでもないことですが,プログラムを作ると,そのたびにコードのテストを行わなければなりません.そしてテストにはけっこうな工数がかかります.十分に要求を満たす過去の設計資産があるときに,同じものを繰り返し作っているようでは,プロのエンジニアとしては失格です.
ここで重要なのは,「要求を満たしているかどうかを判定できる目利き」だと思います.そして,要求を満たしているかどうかを正確に見抜くためには,携わっているシステムを十分に理解する必要があります.プログラムを再利用するためには,システムの十分な理解と目利きの力が必要なのです.
なかにはソフトウェア部品庫(ライブラリ)を構築しているメーカもありますが,やはりエンジニアは自分で作りたがる人種らしく,なかなかその利用率は伸びなかったようです.結局,そのメーカではソフトウェア部品を登録した人よりも,ソフトウェア部品を再利用した人を高く評価するしくみを作りました.
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