携帯機器向け燃料電池とウルトラ・キャパシタの動向 ――充電1回で数万時間連続稼働も夢じゃない!?

Richard Nass 

tag: 組み込み

技術解説 2001年7月23日

1. 水素燃料電池

 水素燃料電池はもっとも単純なタイプの燃料電池です.水素を電池の片側に置き,もう片側には一つの電極と触媒(一般 的にはプラチナ)を置きます.この触媒が,水素をその構成要素である陽子と電子に分解します.陽子は電池を離れ,電力を供給しながらシステムの中を移動していきます.

 陽子は,燃料電池の心臓部である膜を通 過します.陽子は燃料電池のもう片側にたどり着くと,空気中の酸素,さらにシステムの中を移動してきた電子と結合します.これらがすべて結合して水となります.水素分子から分離して燃料電池の中を移動していく陽子はプロトン伝導膜またはプロトン電解膜(PEM)と呼ばれます.

●Motorola社のジレンマ

 Motorola Labs(アリゾナ州Tempe)のenergy technologies lab managerであるJerry Hallmark氏は「われわれが抱えている携帯機器システムに特有の問題は,容器と安全性です.携帯機器システム用電池の規格は,自動車用あるいは一般 家庭で使われている据え置き型の燃料電池よりもさらに厳しいものです」と語っています.

 そのほかにもサイズと重さ(据え置き型の場合にはあまり重要視されない)が問題となります.燃料電池設計者の目標は,電池のサイズと重さの大半を燃料そのものが占めるようにすることです.そうすれば高いエネルギ密度を達成できるからです.

 主燃料に水素を使う場合,これを高圧ガスとして圧縮するという選択肢があります.しかし,そのためにはがんじょうな金属製の容器が必要となり,かえって重くなります.第2の選択肢は水素を吸収し,必要に応じて放出する金属の水素化合物を使用する方法です.ところが,この金属の水素化合物そのものがきわめて重いのです.どちらの選択肢も問題解決の方法としてはかなり厳しいものがあります.そのような経緯から,Motorola社の研究者たちはメタノールを使うことにしました.

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