ディジタルFMステレオ・チューナの製作 ―― 雑誌の付属基板でここまでできる
tag: 半導体 ディジタル・デザイン
技術解説 2009年6月 5日
ここでは,『ディジタル・デザイン・テクノロジ No.1号(2009,Spring)』付属基板の応用事例として,ディジタルFMステレオ・チューナの制作事例を紹介します.従来はアナログ回路によって実現していた各種回路がFPGA内部のディジタル回路で処理されます.FPGAの「素晴らしさ」を堪能して下さい.(編集部)
FMステレオ放送を高音質で聴くことのできるFMステレオ・チューナの製作例を紹介しましょう.このFMステレオ・チューナは,選局機能を持たない,一つの放送局を受信するための「専用受信機」として構成してありますが,液晶パネルや操作ボタンを接続するためのヘッダも基板上に用意してありますので,選局機能を備えた実用性の高いチューナへ発展させられると思います.
日本でFM放送の本放送が始まって今年(2009年)で40年になります.かつては,オーディオ・メーカ各社がFMステレオ・チューナの性能を競った時代もありました.最近は丁寧に作られた,高音質なFMステレオ・チューナをあまり見かけなくなったのは残念です.ディジタル方式のFMステレオ・チューナで音楽をじっくり楽しむのはいかがでしょうか.シリコンのメディアにエアチェックをしてみるのもよいかもしれません.
1.FMステレオ・チューナの製作
今回製作するFMステレオ・チューナは,10cm角のプリント基板(受信機基板)の上に付属FPGA基板を搭載する形をとります(写真1).
受信機基板の二つの辺には,
- アンテナ端子(Fコネクタ)
- 光ディジタル・インターフェース(S/PDIFディジタル出力)
- アナログ音声出力(RCAジャック×2)
- 電源ジャック(5V,450mA)
の各種コネクタが搭載されています(写真2).