1+1を10にする「チーム力」養成講座 ―― 意見を戦わせより良い成果を生み出そう

穴田啓樹

tag: 組み込み

技術解説 2007年9月14日

● 即題スピーチ・トレーニング

 テクニカル・ライティングは「書く力」を伸ばすものでしたが,「即題スピーチ」は話す力を伸ばすために行っています.時間が限られている開発の中では,要点をまとめて話すことが求められます.そこで,時間を1分,3分と決め,要約して話すトレーニングを行うのです.いつも同じ時間ではなく,今日は1分,今日は3分,などと変えることによって,話の構成を意識するようになり,まとめる力がさらに伸びます.また,ストップウォッチで実際の時間を計測することで,「時間が経過する」という感覚が身に付きます.時間が限られていることを認識し,時間の経過を感じることができるようになると,ミーティングの質が随分と向上しました.

 さらに,初めは事前に決めたテーマで話すのですが,慣れてきた時点で,テーマは直前に決めるようにします.どんなテーマになるか分からないので,その場に対応する力が磨かれます.

 この「即題」方式を3カ月ほど続けた時点で,別の効果に気付きました.その場でテーマを決めることにより,その人の考え方のよりどころや大切にしていることが現れやすくなるのです.それを共有する場ができた結果,お互いのコミュニケーションがスムーズになりました(コラム「自己紹介ワークショップ」を参照).

● ペア開発

 「ペア開発」とは,アジャイル・プログラミングのプラクティスとして知られている「ペア・プログラミング」をプログラミング以外の工程でも活用するものです.これは笑い話になってしまうのですが,きっかけは,筆者が予算申請でプロジェクタを計画に含めるのを忘れたことから始まりました.

 プロジェクタの代わりに1台のディスプレイを二人で見ながら,ドキュメントをレビューします.このときの相手との距離が,プロジェクタを使うよりもディスプレイの方が近くなるわけですが,この距離の近さが,お互いに「つっこみ」を入れながら推敲していくスタイルに合っていることに気付きました.その結果,現在もプロジェクタを買わずじまいです.

 さて,ペア・プログラミングで必ず話題になる効果ですが,筆者は,一人で考えるときの思考の限界を超えるものとして,二人(ペア開発)の方がより価値の高い成果を生み出していると確信しています.特に,アイデア出しや調査結果の分析,不具合の発見などで活用しています.ただし,いつもペアで作業するのではなく,時には一人ずつのアイデアを持ち寄ってから始めるなど,メンバ間で持たれ合わないように注意しています(コラム「考えるスタイルを使い分ける」を参照).

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