1+1を10にする「チーム力」養成講座 ―― 意見を戦わせより良い成果を生み出そう

穴田啓樹

tag: 組み込み

技術解説 2007年9月14日

3)より優れた発想が求められている

 会社に入ると,なぜ給料(お金)をもらえるのでしょうか.その仕組みを突き詰めていくと,自分たちの活動が社会に価値を生み出し,お金に替わることが分かります.その知的活動の原点は発想にあり,個人が独自の発想を持つことが大切です.

 しかし,個人の発想や思考には限界もあります.そこで,チーム・メンバが互いの考えをぶつけ合うことで,より良い発想に育てていき,社会に競争力のある商品やサービスを提供していくことが求められています.

2 チームを伸ばすコミュニケーション

 チームの力を発揮するためには,チーム・メンバ間のコミュニケーションを促すことが重要です.では,いったいどのようなコミュニケーションが必要なのでしょうか.開発プロセスやプロジェクト・マネジメントの解説書でもコミュニケーションの重要性が説かれていますが,具体的にどうすればよいのかは,書かれていないことが多いようです.ここでは,コミュニケーションを円滑にするための,七つの基本的な考え方を紹介します.

● その1:まず,自分の考えを伝えること

 チームのコミュニケーションは,まず,自分の考えを相手に伝えることから始まります.自分から相手へ情報を発信し,その情報に相手が反応します.連鎖反応を引き起こしながら,情報の価値を高めていくのです.このサイクルをきちんと回しながら開発を進めることが重要です.

 仕事では,「そんなこと,わざわざ言わなくても分かってくれるだろう」などと,相手の「察し」を期待してはいけません.多くの場合,自分の期待と相手の考えは異なります.そのギャップがトラブルの原因になるのです.

 結果が良くないときには,伝えにくいこともあるでしょう.そのようなときでも,きちんと伝える習慣を付けましょう.

● その2:伝え手が責任をとること

 「ドキュメントを読んだが内容を理解できなかった」.そんな経験を持つ読者は多いでしょう.コミュニケーションの責任,つまり「情報が伝わる」ことは誰が受け持つべき責任なのでしょうか.

 一昔前は,受け手の責任とされてきました.「君はそんなことも分からないのかね」,「それは常識だよ」といった会話が日常的に交わされてきました.しかし,この十数年で,それは伝え手の責任に変わってきています.開発の大規模化と社会の雇用形態の変化によって,多様なメンバが開発に加わるようになり,これまで「常識」とされてきたことが通用しなくなっています.その結果,伝え手に「相手が理解する」ことを意識したコミュニケーションが求められているのです.「伝えたか」ではなく「伝わったか」が重要なのです(図2)

zu02_01.gif
図2 「伝わらない」のは誰のせい...?

 これに気付いていない組織では,情報の受け手の時間を浪費しています.例えば,本来,10分で内容が伝わる報告書があったとします.受け取った側がそれを読むのに30分かかったとすると,20分の時間を無駄に使ったことになります.読み手が10人ならば200分の無駄になります.逆に5分で内容を理解できれば,50分の時間を節約したことになります.これが日々積み重ねられるとしたら,大変な格差を生みます.私たちが発信する情報は,チーム・メンバに影響を与えていることを自覚しましょう.

組み込みキャッチアップ

お知らせ 一覧を見る

電子書籍の最新刊! FPGAマガジン No.12『ARMコアFPGA×Linux初体験』好評発売中

FPGAマガジン No.11『性能UP! アルゴリズム×手仕上げHDL』好評発売中! PDF版もあります

PICK UP用語

EV(電気自動車)

関連記事

EnOcean

関連記事

Android

関連記事

ニュース 一覧を見る
Tech Villageブログ

渡辺のぼるのロボコン・プロモータ日記

2年ぶりのブログ更新w

2016年10月 9日

Hamana Project

Hamana-8最終打ち上げ報告(その2)

2012年6月26日