1+1を10にする「チーム力」養成講座 ―― 意見を戦わせより良い成果を生み出そう

穴田啓樹

tag: 組み込み

技術解説 2007年9月14日

● その2:チームのシナリオを描く

 開発がゴールにたどり着くまでのシナリオ(筋書き)を描き,メンバに語りかけましょう.人はシナリオ,すなわち文脈から理解しやすいものです.シナリオは,開発の初期に一度伝えるだけでは不十分です.毎日,毎週,毎月.その時その時のマイルストーンを達成し,問題を解決していくシナリオを共有していきましょう.

 このシナリオ共有が不十分だと,メンバはどこに向かっているのか分からなくなり,不安を感じます.その結果,チームの力を発揮しにくくなるのです.

 シナリオは,まず目指す状態,あるべき姿から始めます.そして,現状とのギャップを明確にして,中間地点を設けながら,いつ,誰が,どのように課題に取り組み,その結果どうなるのかを説明します.そして,目標を達成することの意味,チーム・メンバへの思いを語りかけましょう.この語りかけがシナリオのイメージをより具体的にするのです.また,メンバの反応を見ながら,相手に届きやすいメッセージを選ぶように心がけましょう.

● その3:自ら話を聞いて回る

 チーム・メンバの報告を待つのではなく,リーダから進んで状況を把握するためにインタビューに回りましょう.自分から話を聞いて回ることによって,チームの状況を直接「感じる」のです.状況を把握するときは「事実と意見を区別すること」で説明した通り,メンバとの会話から事実を引き出すことが肝心です.このとき,リーダから見ておかしいと考えられる言動があっても,頭ごなしに否定せず,まずは意図を確認してみましょう.意図は同じなのに言葉のあやに引っかかることはよくありますが,お互いの意図が同じであることが確認できれば,スムーズに話を進められます.

 また,単に進ちょくを確認する会話では尋問になり,ギクシャクした雰囲気になってしまいがちです.そこで,その仕事の難しかった点,工夫した点,自己評価を聞いてみるとよいです.そして,「そういう点が難しいんだね」,「面白い工夫をしたんだね」といったような,相手の行為を認める会話を進めましょう.その言葉からメンバは,「リーダは自分のことを見てくれている」という安心感を得ることができ,よりチームの力を引き出すことができるのです(「コミュニケーション・スキルの磨き方」を参照).

● その4:メンバを巻き込む

 開発上の課題や問題はメンバの力を引き出し,巻き込みながら解決していきましょう.リーダが「何とかしてしまう」のではなく,チーム・メンバが主体となり,解決していく機会を増やすのです.「自分たちが開発を支えている」という意識は,チームの力をより強固なものにします(コラム「ホワイト・ボードの活用」を参照).

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