模型ロケット打ち上げプロジェクト「Hamana-3」における安全対策 ――「確実に安全に」を実現するためのプロジェクト推進
1) 模型ロケット安全コードを順守する
プロジェクト実施において,少なくともこれだけは守ろう(必要最低限),というルールが必要です.筆者らは,数十年にわたって安全な打ち上げを裏付けてきた,模型ロケット安全コードを順守することにしました.
「必要最低限のルールを順守する」というと,当たり前のことと思われるかもしれません.しかし,打ち上げに慣れてしまうとルール順守を忘れがちになり,運用があいまいになることがあります.これを避けるため,打ち上げ前に計画書を作成する段階で,必ず打ち上げ手順について確認しました.また,打ち上げ時の様子をビデオ・カメラで記録して,安全コードが守られているかどうかを確認するようにしました.
なお,模型ロケット安全コードには打ち上げ場所についても規定があります.Hamana-3で使用したエンジンでは,上空に障害物がない半径30m以上の平地が必要でした.このように広く空が開けている場所というのは,なかなか見つかりませんでした.最終的には国土交通省に使用許可を得た上で,河川の砂州を利用しました.
ルールに従った打ち上げを実施するためには,さまざまな準備が必要です.「安全に打ち上げるためのルールが規定されていれば,守らなければいけない」というルール順守の意思が,プロジェクトを安全に実施するための鍵だと思います.