模型ロケット打ち上げプロジェクト「Hamana-3」における安全対策 ――「確実に安全に」を実現するためのプロジェクト推進
エンジンの製造方法は,米国ロケット協会(National Associa-tion of Rocketry:NAR)(2)によって定められています,エンジン製造元はサンプリング燃焼の数値を公開することにより品質を保証しています.また,NAR自身が安全性の検査を実施しています.実際に,規定の方法による打ち上げでは,過去40年にわたり重大な人身事故は起きていません.さらにNARは,模型ロケットの打ち上げ安全基準「模型ロケット安全コード(Model Rocket Safety Code)」(3)を定めています.このように,規格に従ったエンジンの使用と,安全基準の順守により,模型ロケットの安全性を高めています.
なお,火薬を使用するということで,なんらかの法律によって規制されているように思われるかもしれませんが,模型ロケットで通常使用するエンジン(型式A8-3,C6-5)の火薬量は20g以下であるため(表1),おもちゃ(花火と同様の)扱いとなり,火薬類取締法には抵触しません注1.
エンジン形式 | 総出力[Ns] | 遅延時間 [s] | 最大打ち上げ重量[g] | 最大出力[N] | 火薬量[g] |
A8-3 | 2.5 | 3 | 85 | 11.8 | 5.6 |
C6-5 | 10 | 5 | 113 | 15.3 | 14.9 |
表1 代表的なエンジンのスペック
エンジンは火薬量によってA~J型に分類される.C型エンジンまでは,火薬量が20g以下である.
注1;日本国内でD型エンジン以上の模型ロケットを打ち上げる場合は,火薬類取締法に準拠した日本モデルロケット協会の自主消費基準を順守する必要がある.