模型ロケット打ち上げプロジェクト「Hamana-3」における安全対策 ――「確実に安全に」を実現するためのプロジェクト推進
筆者らが開発したHamana-3用のロケット(写真1)と搭載した観測機器(写真2),観測機器の構成(図3)を示します.観測機器に加速度センサとジャイロ・センサを搭載し,空中における模型ロケットの運動を解析しようと試みました注2.飛行中に必要なデータをフラッシュ・メモリに書き込み,地上で回収した後にデータをパソコンに取り込んで,パソコン上で飛行経路を表示することができました.なお,Hamana-3の前年に実施した「Hamana-2」プロジェクトに関しては,本誌2006年6月号(4)(5)で解説していますので,興味のある方は参照してください.
写真1 筆者らが開発したHamana-3用のロケット(発射の瞬間)
模型ロケットの機体は全長が320mm,重量が40g.米国Estes Industries and COX社の模型ロケット「BABY BEATHA」をもとに作成した.なお,機体そのものは,Hamana-2で使ったものを継続して使用した.
写真2 搭載した観測機器
観測機器は高さが63mm,直径が36mm,重量が37g.
図3 観測機器の構成
H8マイコンに,OSEK/VDX仕様に準拠したリアルタイムOS「TOPPERS/OSEK」を搭載した.ジャイロ・センサと加速度センサからデータを得て,フラッシュ・メモリに書き込む.書き込んだデータは,観測機器を地上で回収した後,RS-232-C経由でパソコンに取り込む.
注2;慣性航法(速度と位置を随時割り出していく航法)の構造と似ているが,予算の都合によりジャイロ・センサが1軸しか取れなかったため,擬似的な解析に終わった.