マルチプロセッサで実現したH.264ビデオ・デコーダ ――コンフィギャラブル・プロセッサのユーザ定義命令とオンチップ・バスを活用
一つのLSIに,プロセッサ・コアを数個はもちろんのこと,数百個搭載することすら"可能"です.可能ではあるのですが,詰め込んだというだけでは,実はどうにもなりません.その理由は,チップ上のネットワークです.
ネットワークとは,データや命令(コマンド)をやりとりする径路を指します.プロセッサが外部(例えばほかのプロセッサや外部メモリ,プロセッサ外のハードウェア資源など)と協調して何かを実行しようとする場合,データとコマンドのやりとりは欠かせません.そのための径路(ネットワーク)がチップ上に必要になります(図4).
図4 オンチップ・ネットワーク
ネットワークとしては,従来,バス構造がよく使われてきた.ほかに,階層バスやリング構造(Cellなど),メッシュ構造(ネットワーク・プロセッサなど),ツリー構造,スター型などもある.究極の解はなく,アーキテクトの腕しだいというのが現状である.