マルチプロセッサLSIに適したオンチップ・ネットワーク ――ダイレクト・データフロー・インターコネクト
● TIEポートのアクセスにはユーザ定義命令を使う
TIEポートは,プロセッサ間,およびプロセッサとハードウェア・モジュールの間を直接接続します.
TIEポートを直接アクセスする命令はシステム設計者が定義します.通常,プロセッサ間を直接アクセスする命令はないので,これまでとはずいぶん趣きが異なるといえるかもしれません.ポートを直接アクセスするので,外部メモリのような遅延の問題はありません.
プロセッサ間で例えばロード命令を実行するとき,そのロードがプロセッサ・インターフェースをすぐにアクセスするのかどうかは不明(ある条件下では自明)であり,不確定要因の一つになります.TIEポートでは,基本的にアービタは関与しません(ただし,システム設計によってはアービタを使うようなやりかたももちろん可能).
TIEポートから直接プログラムをフェッチして実行するという機能は現在のところはありませんが,理論的にはデータとして扱うことができるものはすべてTIEポートを通じてやり取りできます.プログラムもそれをデータとみなしてTIEポートを通して取り込み,プログラム・メモリにストアすることで,ほかのプロセッサ(例えばスレーブ・プロセッサ)に渡すことが可能です.