マルチプロセッサLSIに適したオンチップ・ネットワーク ――ダイレクト・データフロー・インターコネクト
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バスの性能を上げる
クロスバ・スイッチや階層構造といった複雑なネットワークを設計することで,バス(ネットワーク)の性能を引き上げようとしたことがあります.
筆者の手がけたディジタル・テレビ向けMPEGビデオ・デコーダLSIでは,2本のデータ専用バス,および制御専用バスを設けました.そして,遅延に対してクリティカルな制御信号をバースト主体のデータ・アクセスと切り離し,しかもバースト・アクセスをメモリに対するデータの方向で二つに分離(いわゆるスプリット・トランザクション)するといったことまで取り入れ,かなり複雑なネットワークを形成しました.
しかし,筆者がこういった複雑な構造をとることができたのは,プロセッサに至るまですべて自分たちで設計していたからです.