「Icarus Verilog」+「IVI」の使い勝手を試す ――波形表示GUI付きのフリー・シミュレータ
● シミュレーションを実行する
シミュレーションを実行するためには,まずVerilog HDLのソース・コード(*.v)をコンパイルし,シミュレーション用のオブジェクト(*.vvp)を生成する必要があります.
1)Verilog HDLソース・コードのコンパイル
コンパイルにはiverilogコマンドを使用します.iverilogコマンドは,IVIのコマンド・ウィンドウからでもコマンド・プロンプト(ターミナル)からでも実行できます.iverilogコマンドの使用例を以下に示します注5.
iverilog [ソース・コード名] -o [出力ファイル名] -s [トップ・モジュール名]
生成するオブジェクトのファイル名はデフォルトでは「a.out」になりますが,IVIを利用するためには拡張子をvvpにしておく必要があります.そこで,oオプションを利用して出力するファイル名を指定します.また,sオプションを利用してトップ・モジュールを指定します(指定しなくても自動的に探しに行ってくれるようだが,作者は指定することを推奨している).
コンパイラが出力するエラー・メッセージは,まあ普通といったところです.ソース・コードのエラーのある場所を行数で示してくれます.商用のシミュレータに比べてやや不親切なようにも思いますが,使ううえではそれほどの不つごうは感じませんでした.
注5;iverilogのコマンド・オプションについては,Linux版なら「man iverilog」で確認できる.Windows版なら,IVIのコマンド・ウィンドウから「iverilog -h」と入力することで確認できる(ただしオプションの種類のみで,詳細な説明はない).これらのオプションは,米国Cadence Design Systems社の論理シミュレータ「Verilog-XL」のオプションにそっくりである.