「Icarus Verilog」+「IVI」の使い勝手を試す ――波形表示GUI付きのフリー・シミュレータ
● FPGA設計なら実用性あり,後は今後に期待
実用になるか? と言えば,Yesでしょう.エラー表示が少し不親切など,いくつか不満はありますが,FPGAを設計する際には十分に使えると思います.ASIC設計については,SDFの問題が解決すれば実用になると思いますし,ネットリストのバック・アノテーションを除けば機能するでしょう.論理合成の機能は,いまひとつと言ったところでしょうか.これは将来に期待するしかありません.
現在の改善の課題は,多分にIcarus Verilog側にあります.作者が言っているように,Icarus Verilogはまだ発展途上にあるようです.これからさまざまな改良が予定されているようなので,非常に期待されるところです(ただし,あくまでもフリー・ソフトウェアなので,「早く改良しろ」などと要求しないでおいていただきたい.開発者の方がボランティアでやってくださっていることをお忘れなく...).
たけもと・さとる
(有)サイバーラボ
竹本 悟.
1952年神戸市生まれ.高校時代にラジオやアンプを作っていた世代ですが,いつの間にかHDL設計を飯の種にするようになっていました.サラリーマンを20年,二つの会社に勤めましたが,やっぱりやってみたくて独立しました.ときどきCQ出版でもセミナの講師を務めています.趣味は碁,つり,キャンプなどいろいろやりますが,回路を考えているときがいちばん楽しいと思っています.もちろん熱烈な阪神ファンです.