ネットワーク・プロセッサを使ってネットワーク・ボードを開発する ――電源回路設計の留意点とボード実装時のトラブル対策
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◆メモリ・マップの変更◆
本ネットワーク・ボード(NTNP425B)は,Intel社が提供する評価ボード(KIXDP425)とほぼ同じ構成(汎用I/Oピンの割り当てなど)となっています.したがって,ブート・ローダやLinuxのカーネル・コンフィグレーションなどは,基本的には既存の「IXDP425」というパラメータでコンパイルすれば動作します.本ボードで採用しているブート・ローダであるRedboot(詳細はhttp://sources.redhat.com/redboot/を参照)をIXP425上で動かすための資料はIntel社のホームページ(http://www.intel.com/)から入手できます.
さて,Redbootのソース・コードと必要なツール群をインストールしたら,本ボード用にメモリ・マップを変更します.KIXDP425ではSDRAMが256Mバイト実装されていますが,本ボードは64Mバイトです.Redbootではメモリ・サイズやメモリICの個数をチェックしているので,その部分の変更が必要になります.変更が必要なファイルはいくつかありますが,そのうちの一つ(hal_platform_extras.h)の変更例を図B-1に示します.
Redbootの変更に際しては,標準でサポートしているボードの中の「grg」というプラットホームが参考になります.これはSDRAMが32Mバイトのものなので,「IXDP425」と「grg」のディレクトリ中にある上記ファイルを比較すれば,どこを変更する必要があるのかわかります.変更が終わったらコンパイルします.マニュアルにしたがってmakeすれば,Redbootのイメージができ上がります.フラッシュ・メモリに書き込む際は,redboot.binを絶対番地形式で読み込み,バイト・スワップさせてから書き込みます.
図B-1 メモリ・マップの変更
左側がhal_platform_ extras.hのオリジナルのソース・コード.右側が本ボード用に変更したもの.