固定小数点プログラム開発の手間を省ける組み込み機器向けDSPコアを開発 ──15人日でMP3デコーダを開発可能に
リスト1には,アセンブリ言語で記述したプログラム例を示します(コラム「アセンブリ言語を拡張してプログラミングのミスを減らす」を参照).この例は,FFTの結果からパワー・スペクトルを計算する部分のものです.図9は,デバッガ(ソフトウェア・シミュレータ)の画面です.メモリに格納されているデータが実数で表現されています.
メモリ上では仮数部を15ビットとしました.この値は任意に変更可能ですが,15ビットでも高品質の信号処理を実現できました.
〔リスト1〕プログラムの例
パワー・スペクトルを計算するアセンブリ・プログラムの例を示す.本アセンブリ言語のシンタックス(構文)は拡張されており,C言語に似ている.また,エディタのCモードを利用できる.ユーザはレジスタに任意のラベルを付与することができ,これによってプログラムの可読性が向上する.
〔図9〕 デバッガ画面
デバッガやアセンブラなどの開発ツールは,WindowsまたはLinuxの上で動作する.ここに示すのは,デバッガのGUI画面.メモリに格納された計算結果は実数形式で表現されるので,浮動小数点機能モデルとの一致検証を楽に行える.