つながるワイヤレス通信機器の開発手法(1) ――仕様を理解する

太田博之

tag: 組み込み

技術解説 2002年9月 3日

●De factoとDe jureは認証テストにも影響する

 仕様書を別の観点から分けると,以下のように機器仕様とテスト(認証)仕様の2種類がある.

  • 機器仕様:その製品を作るために必要な情報を説明している文書
  • テスト(認証)仕様:でき上がった製品の仕様への準拠度を客観的に評価するためのテスト方法と合格の基準が記述された文書

 通信の世界では,相手機器と接続できることが前提となるので,機器仕様と同じくらいでき上がった機器をテスト(認証)するための仕様が重要になってくる.

 現在,市場に出ている多くのワイヤレス通信機器にはロゴ・マークが貼られている.例えば,BluetoothやワイヤレスLANの規格に準拠した機器には,それぞれ図2に示すようなロゴが付けられている.これらのマークは,認証団体によるテストに合格した機器のみに付けられるロゴ・マークである.つまり認証団体は,このマークが付いている機器どうしであれば,問題なくつなげられることをユーザに証明することになる.

f02_a.jpg f02_b.jpg
(a) Bluetoothのロゴ (b) ワイヤレスLANのロゴ
[図2]ロゴ認証
現在,市場に出ている多くの機器にはロゴ・マークが貼られている.例えば,BluetoothやワイヤレスLANの機器にはそれぞれ図のようなロゴが付けられている.

 このしくみをロゴ認証と呼ぶが,ロゴ認証のためのテストが通信機器の場合は非常に重要であり,ロゴ認証が終わらないうちは製品の開発が終わったことにはならない.

 認証テストにおいても,De facto StandardとDe jure Standardではテスト項目の詳細度が変わってくる.De facto Standardの場合,先に書いたようにDe factoとして存在する機器と接続できればいい.テスト自体もDe facto Standardとされる機器と問題なく接続できることを確認するだけで,計測器や専用テスタなどによる客観的な評価項目は非常に少ない.また,テストや認証のしくみもDe facto Standardの場合は非常に簡素なものとなっている.

 認証のしくみが詳しく規定されているBluetoothのロゴ認証については,後で詳細に説明する.

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