PCI-X 2.0の仕様概要と設計方針(前編) ――DDR、QDRを利用して最大4,264Gバイト/sでデータ転送

Stillman Gates

tag: 組み込み

技術解説 2002年8月29日

●ストローブ信号はペアで使う

 ソース同期転送方式では,データを送信する側のデバイスは,データとECCのほかに2組のストローブ信号を駆動する必要があります.これらのストローブ信号は,デスティネーション(受信側)のデータ・ラッチに利用されます.

 ストローブ信号には,「第1ストローブ(STBF)」と「第2ストローブ(STBS)」があります.64ビット・バスの場合,4組のストローブ信号を使用します.各ストローブ信号のペアは,16個のAD信号とともに一つのデータ・グループを形成します.8個のECC信号は三つのグループに分割されます.

 ストローブ信号では,時間インターリーブ・サンプリング技術を使用します.ストローブ信号のペアは互いに180度位相でオフセットされ,各ストローブ信号の立ち上がりエッジをコンポジット・リファレンス信号として使用します(受信側はシステムのクロックに依存せず,送信側から送られてきたストローブ信号のペアの立ち上がりエッジに合わせてデータを受け取ることができる).これにより電磁放射ノイズ(EMI)やクロストーク・ノイズ,2倍速や4倍速のクロック信号が引き起こす基本周波数の問題を回避できます.

 DDRの場合,共通クロックの1周期の間に二つのデータを転送します(図2).1組のストローブ信号は共通クロックと同じ周波数になり,転送の途中で90度オフセットされます.受信側では最初の転送をSTBFで,2番目の転送をSTBSでラッチします.

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出典:PCI-X 2.0 60-day Review Draft, Figure 1-7
〔図2〕PCI-X 266のモード2におけるデータ転送タイミング
DDRの場合,共通クロックの1周期の間に二つのデータを転送する.1組のストローブ信号は共通クロックと同じ周波数になり,転送の途中で90度オフセットされる.

 QDRの場合,共通クロックの1周期の間に四つのデータを転送します(図3).1組のストローブ信号は共通
クロックの2倍の周波数になり,1クロックにつき四つの立ち上がりエッジを提供します.そして,各ストローブ信号は転送の途中で45度オフセットされます.受信側では1番目と3番目の転送をSTBFで,2番目と4番目の転送をSTBS でラッチします.

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出典:PCI-X 2.0 60-day Review Draft, Figure 1-8
〔図3〕PCI-X 533のモード2におけるデータ転送タイミング
QDRの場合,共通クロックの1周期の間に四つのデータを転送する.1組のストローブ信号は共通クロックの2倍の周波数になり,1クロックにつき四つの立ち上がりエッジを提供する.そして,各ストローブ信号は転送の途中で45度オフセットされる.

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