3GIOはPCIの皮を被ったInfiniBandか? ――第3世代I/O規格の概要
3GIOで使われる最新技術とは
これから先は筆者の推測の部分でなにも保証はできない.いよいよ未知の部分へ突入である.
先ほどバスの規格を左右するのは用途と最新技術と書いた.それでは3GIOの最新技術とは何だろうか.当然現段階では非公開の部分である.しかし,発表された断片的な情報を集めると一つの形が見えてくる.
- 2.5Gbps/レーン
- 8b/10b エンコーディング(Embedded Clock Signaling)
- x1 ~ x32レーン
と聞いて何が思い浮かぶであろうか.筆者の友人はXAUI(注1)であった.XAUIは10GビットEthernetの要素技術である.10GビットEthernetでは2.5Gbps/レーンで,これを4レーン分組み合わせて10Gbpsを出している.ただし8b/10bエンコーディングを行っているのでエンコード後の速度は各レーン25%増しの3.125Gbpsになる.確かによく似ている.
しかし筆者には,3GIOはInfiniBandにより近く見えた.InfiniBandはもともとCompaq社,IBM社,HP社が推すFuture I/Oと,Intel社,Microsoft社,Sun Microsystems社が推すNext Generation I/Oという別々の規格が合体してできた規格である.名前だけを見ると3rd Generation I/Oと酷似しているし,実際に物理層のところは2.5Gbps,8b/10bエンコーディング,x1 x4 x12レーンでよく似ている.10GビットEthernetと違い,2.5Gbpsは8b/10bエンコード後のスピードなので,エンコード前のスピードは2Gbpsになる.つまり250Mバイト/sの速度である.ただし,パケットのオーバヘッドがあるので実際のバンド幅はもっと下に落ちる.InfiniBand Architecture Release 1.0.a Volume 2の"Chapter 5: LINK/PHY INTERFACE"に詳しい説明が書いてあるが,ここらへんを読むと3GIOの正体が何となく見えてくるはずだ(注2).
注1;ゾウイ,またはザウイと読む.Xはローマ数字の10を表す.AUIは Ethernet用語でAttachment Unit Interfaceの略.PHY部分のトランシーバ手前のインターフェース規格である.XAUIについてもっと知りたい人は,http://www.ieee802.org/3/ae/public/adhoc/serial_pmd/xaui_documents/index.htmlを見るとよい.また10GビットEthernet(これはIEEE802.3ae規格)を調べたい人はhttp://www.10gea.org/Tech-whitepapers.htmや,IEEEのhttp://www.ieee802.org/3/ae/public/を見るとよい.
注2;InfiniBandをもっと知りたければhttp://www.infinibandta.orgを見ること.ここからInfiniBand Architecture Release 1.0.aのVolume1とVolume2をダウンロードできる.