EVは速くて当たり前?! ―― 第9回 全日本 学生フォーミュラ大会(3)
2011年9月7日.第9回 全日本 学生フォーミュラ大会の3日目である.EV(電気自動車)でエントリしている6チームのうち,車検通過済みが2チーム,断念したチームが2チーム.残る2チームは,本日の車検通過に望みをかけている.
連載レポート「第9回 全日本 学生フォーミュラ大会」バック・ナンバ
第1回 EV(電気自動車)チームのピットを探せ!
第2回 EVフォーミュラ,車検との戦い
●引っ越していたEVピット
朝,会場に着いたら驚いた.昨日EVのピット群(?)があった場所に,フォーミュラ・カーが列をなして並んでいた(写真1).さらに奥のところに,今日から行われるアクセラレーション(直線走行)とスキッドパッド(8の字走行)のコースが設営されていて,EVのピットは移動になっていたのだ注1(写真2).そういえば,そんな話を昨日していたっけ....
注1:アクセラレーション(直線走行),スキッドパッド(8の字走行),オートクロス(直線やターンなどが入り混じった複合コース走行),エンデュランス(耐久走行)は,学生フォーミュラ大会の規則で定められている実車走行のテスト項目である.詳しくは,第1回で掲載したコラム「全日本学生フォーミュラ大会とは」を参照のこと.
写真1 EVピットはどこへ行った?
昨日のEVテント群の場所にフォーミュラが並んでいる!!

写真2 直線走行と8の字走行のコース
小さな客席があり,既に人も入っている.

恥ずかしいが,大会本部の受付テントに行ってEVピットの行方を聞くと,昨日までガソリン車の車検場があったテントの所に移ったという.ガソリン車の車検用テントは大幅に縮小されたのだった.今日からレースなのだ(といっても,タイム・トライアルだが).
キレイに並んでEVのピットになっていた(写真3).でも,ガソリン車のピット群にあるようなトラックは置けないけどね(写真4,写真5).
写真3 大会3日目からのEVピット群

写真4 EVピット場所から見たガソリン車のピット群(裏側から撮影)
ガソリン車のピット群は,このような列が何列かある.

写真5 ガソリン車の各チームは10人~20人程度のスタッフがいるようだ

●金沢大,車検通過へ
EVピットに近づくと,金沢大学の車検が始まったところだった.なんとか,午後のオートクロス走行に出るためには,午前中に車検+ブレーキ・テストを通過しないといけない.が,これは難しくなってきた.しかし,学生の表情を見ると落ち着いていて余裕がある(写真6,写真7).
写真6 審査される側もする側も,緊迫感は少ない

写真7 しかし厳密に審査は進む

車検は一発ではパスできなかったが,改善個所は容易に対応できそうだとのこと,全員少し安堵の表情が出た.審査員にこっそり聞くと「恐らく午後には大丈夫でしょう」と言って引き揚げていった.学生たちは,すぐに改修作業に入った.
●東大チームはどうなるか?
一方,東大チームはあとブレーキ・テストさえクリアできればコース場に進めるのだが,皆なぜか表情がさえない(写真8).ブレーキを調整してはいるものの,なぜ前輪がロックしないのか,本当の原因がわかっていないのだとか....万全に調整して臨んだはずの朝一番のブレーキ・テストでも,昨日と同じ症状が出た(前輪がロックしなかった).ここで再度トライしても,パスする自信がないらしい.
打つべき手が見えない,これはちょっとピンチだ.
写真8 ちょっと暗い表情の東大チーム.ガンバレ!
