EVは速くて当たり前?! ―― 第9回 全日本 学生フォーミュラ大会(3)
●静岡大学,静岡理工科大学はオートクロスへ
図らずも,静岡大学と静岡理工科大学という地元の2大学のチームだけが,前日に車検をパスし,朝一番にアクセラレーションとスキッドパッドを行って戻ってきた(写真9).次は,午後3時半からのオートクロスに臨むことになる.
写真9 戻ってきた静岡理工科大のフォーミュラ.向こう側が静岡大学のフォーミュラ

そして3時半に(ガソリン車のレースの休憩時間中に!?),EVのオートクロス(ただし本大会では「デモ走行」という扱いである)が行われた(写真10).最初に,音もなく静岡理工科大学のEVが入ってきた(写真11).エンジン音もなく,ほぼ無音でスゥーと入ってきた.スタート・フラグが振られ,飛び出し.でも全く無音なので,観客席ではガソリン車との差にあぜんとして,おもわずどよめきが起こった.
写真10 全長約1kmのオートクロスのコース
とはいっても,だだっ広い駐車場に赤と緑のコーンを立てただけのコースなので,観客席からはどういうコースなのか分かりにくい.

写真11 スタート位置についた静岡理工科大のEV

ドライバもコーンをあまり倒すことなく運転し,1分02秒の記録を出した(写真12).「EVも意外に速いなぁ」というのが観客席の雰囲気だった.記録が表示されたときもどよめきが起こったが,観客席の中から,「本来,EVの方が速くて然るべきことだから,驚くことはない」という声が聞こえた.
写真12 静岡理工科大のタイムは,1分02秒45
この記録は,ガソリン車の中においたとしても早い記録だと思う.

続いて静岡大学のEVが走行した(写真13).なぜか静岡理工科大のマシンよりモータ音が大きいが,これもそつなく完走した.タイムは静岡大学より若干遅かった.
写真13 静岡大学のEV
カウルがでっかいデザインがユニーク!

午後になって,金沢大学は2度目の車検にトライ.先ほど出ていた宿題のチェックだけだからか,淡々と進んだ.そのうちに,車体にカウル(フォーミュラの鼻のところのカバー)を付け始め,ドライバもレーシング・スーツに腕を通しはじめた(写真14).どうやらパスしたらしい.今度はブレーキ・テストだ.
写真14 金沢大学の2度目の車検
車検,とはいっても審査員は手持ちぶさた.

写真15 突然にカウルを付け始めた.ドライバもレーシング・スーツを着た
