EVは速くて当たり前?! ―― 第9回 全日本 学生フォーミュラ大会(3)
●再チャレンジするも明暗が分かれる
東大チームはテンションが下がっていた.ブレーキの不調原因が,いまだに分からない.ブレーキ・ユニット個体の問題なのか,システムの問題なのかも分からない.ともかく前輪と後輪のブレーキ・ユニットを交換することにしたようだ.だからといって,これでうまくいくとも思っていないようだ.ともかく,陽もかなり落ちたころになって,2校は再びブレーキ・テスト場に向かった.
まずは東大(写真22).不安な雰囲気の中,テストが行われた.スタート.速度が上がったところでブレーキを踏む.ああっ,今回は後輪がロックしない.会場外側の離れたところで見守っていたスタッフから,ため息とともに「やっぱり2個のブレーキ・ユニットがダメなんだ...」という声が漏れる.換えのブレーキ・ユニットは用意されていない.審査員と東大EVスタッフが長々と話をしている(写真23).それが終わり「明日,もう一度チャレンジしたい」と言って,ピットに戻っていった.
写真22 コンパクトな東大EVのボディが眩しかったが...

写真23 審査員と東大EVスタッフの長い打ち合わせ
東大のスタッフが審査員に呼ばれ,フォーミュラを囲んで長く話し込んでいた.テスト場に入れるスタッフ数はドライバを除いて3人までと決められているようだ.

一方,金沢大学は,ブレーキ・テストをクリアした.控えめな歓声が上がった(写真24).
写真24 金沢大学はパスした
陽はかなり落ちて,影が長く伸びていた.

(第4回に続く)
まの・もとき