EVは速くて当たり前?! ―― 第9回 全日本 学生フォーミュラ大会(3)
●ブレーキ・テスト場には魔物が棲んでいた!
偶然か,金沢大学チームは東大チームと一緒にブレーキ・テスト場に向かった.2台とも濃紺で遠目にちょっと似ている.
まずは東大チームのブレーキ・テスト(写真16).やはり,ブレーキは不調だった.前輪が二つともロックしないのだ(写真17).
写真16 ブレーキ・テスト場での東大EV.ギリギリ後ろからスタートしてみたが...
外では東大スタッフ(白いポロシャツ)が心配そうに見守っている.

写真17 やはり前輪がロックしない.手で×が示されている

●金沢大も続く
続いて金沢大学.ようやくブレーキ・テストまで来た(写真18).スタート・フラグが振られて,勢いよく飛び出すかと思われたが,まったく動かない(写真19).何度やっても同じ.スイッチ(系統別にたくさんある!)の手順がうまくいかないのか? 高圧系は正常だとのこと....
写真18 ブレーキ・テスト場に姿を現した金沢大学のEV
コックピットの両側に電池が置かれている.

写真19 EVが動かない
しかし,スタート・フラグが何度も振られても,うんともすんとも言わない.どうしてだ?

何度もトライするが,同じ.エンジン音のしないEVは,こういうとき,マシンがどういうステータスなのかが全く見えない.結局,何もしないまま,すごすごと200mほど離れたピットに戻って行った.「ここには魔物が住んでいるのか...」.
ピットに戻った2校であるが,金沢大のほうは原因が分かったようだ.何か設計製作上の都合かは分からないが,アクセルのところに独立系の電気周りがあるとのこと.そこには,高電圧系でもなく低電圧制御系でもない独立した電源を使っていて,その電源の電池が切れていたのだという(さっきまで駆動していたが,たまたま今切れたのだという).電池は,ボタン電池だそうで,予備がない.近くのショップにでも買いに行かなくては,と自動車の手配をしていた.電池さえあれば1時間ほどで解決するはずだ.
1時間後に様子を見に戻ると,もうすぐ作業が終わるところだという(写真20,写真21).
写真20 まもなく修理完了!!(あれ,下に何かあるぞ?)

写真21 アクセル部の独立系電気周りの電源
これか....1個のボタン電池.
