開発エンジニアのためのiPhone活用法(7) ―― iPhoneのプレゼン・アプリで発表を上手く演出する
7.プレゼンテーション・アプリ
昨今ではエンジニアといえどもプレゼンテーションを行うシチュエーションが少なくないと思います.顧客への自社製品の売り込みといった本格的なものに限りません.自分の技術などを社内や部署内の人間にアピールすることもプレゼンテーション能力の一つと考えられます.その能力を高めておくことは自分にとって損ではないでしょう.
プレゼンテーションというと,ノート・パソコンをプロジェクタに繋ぎプレゼンテーション用ソフトウェアの「PowerPoint」や「Keynote」などを使用することを思い浮かべると思います.もちろんその際に重要なのは,プレゼンテーション資料の中味の方であって再生ハードウェアではないことは言うまでもありません.またプレゼンテーション資料には見やすさが要求されるので,それほど細かい文字を使用しないのが原則です.ということは,「解像度がそれほど高くないiPhoneでもプレゼンテーションに使えるかも!」と考えるのは自然なことです.
今回はプレゼンテーションで使用すると便利なiPhoneアプリやケーブルなどを紹介していきます.
●プレゼンタイマー (無料)
まずは,普通のプレゼンテーションのときに便利なアプリ「プレゼンタイマー」を紹介します(図1,図2)(1).
時間が区切られているプレゼンテーションでは,時計などを手元に置いて進めることが多いと思います.しかしプレゼンテーションの最中に時計を見るのはなかなか難しく,時間が守れないこともしばしばです.そんなときに役に立つのがこのiPhoneアプリです.
またこのiPhoneアプリは,短い時間に複数のメンバで発表しなければならないときなどにも便利だと思います.
●Keynote Remote (115円)
筆者はMacユーザなので,プレゼンテーションもできればPowerPointではなくiWork(Apple社のオフィス・ソフト)に入っているKeynoteを使いたいと思っています.Keynoteの利点はさておき,ここではiPhoneでKeynoteを制御するためのiPhoneアプリ「Keynote Remote」を紹介します(図3,図4)(2).
Keynote Remoteでは,単にiPhoneがスライドをめくるリモコンになるだけでなく,スクリーンに表示されているスライドやノートの内容をiPhoneの画面に表示できます.このため,パソコンの画面を見ずにプレゼンテーションを行えます.
また,Keynote RemoteはApple社の純正アプリなので安心感があります.ただし,MacとiPhoneを同じWi-Fiネットワークに接続する必要があるので,出先では使いにくいのが難点です.
このほか,パソコンにヘルパ・ソフトウェアをインストールしておけば,iPhoneをリモコンとして使用できるアプリケーションがいくつか出ています.この方法を使えば,iPhoneといっしょにPowerPointやWindows対応のパソコンを利用できます.
●BELKINビデオ・ケーブル (店頭購入価格 2,980円)
iPhoneのDockコネクタにはいろいろな信号に対応するものが出ています.ここではビデオ出力に対応したビデオ・ケーブルを使用して動画を外部のディスプレイに出力してみます(3).
ビデオ・ケーブルを探してみると,別売でApple社の純正のビデオ・ケーブル「Apple コンポジット AV ケーブル」が見つかりました.ただし,5,800円と高価です.ACアダプタまで同梱されているので仕方がないとは思うのですが,やはり高いのでもう少し安いものを探してみたところ,iPodやiPhoneの周辺機器で有名なBELKIN社からビデオ・ケーブルが出ていました(図5).
もっと低価格のビデオ・ケーブルもあるようですが,調べてみたところ,iPhone OSがバージョン3になってから使用できなくなったものもあるようです.ほとんどのビデオ・ケーブルでは,ビデオ出力を行うとバッテリ消費量が多くなるため充電しながら使えるようになっています.